【2次関数】解の公式と判別式
今回は、2次方程式の解の公式と、実数解の個数を求める判別式について解説していきたいと思います。よろしくお願いします。
因数分解を使って2次方程式を解く
2次方程式を解く場合には、解の公式を使うことの方が多いですが、因数分解を使って解ける式なのであれば、因数分解を使った方が楽です。
ですので、たすき掛けを行って因数分解ができるのであれば、そちらを優先しましょう。
たとえば、\(x^2+2x-15=0\)という式を解いてみましょう。
\(x^2+2x-15=0\)
\((x+5)(x-3)=0\)
したがって、この方程式の答えは\(x=-5\)または\(x=3\)ですね。
ちなみに、\(y=x^2+2x-15\)という関数のグラフは以下の通りです。
グラフを見てみると、\(y\)軸が0のときの\(x\)の値は-5と3ですね。あれ、この2つの値って、、、
そうです。先程の2次方程式の解ですね。
つまり、2次方程式の解を求めることで、その関数のグラフの\(y\)軸の値が0のときの\(x\)の値、すなわち\(x\)軸と交わるときの\(x\)座標の値が分かるんですね。
少し序章が長くなりましたが、本題に入りましょう。
解の公式
解の公式を導くためには、平方完成の知識が必要です。
平方完成については↓をどうぞ。
\(ax^2+bx+c=0\)という関数式を使って、解の公式を導き出していきます。
まず、平方完成を行います。
\(a\)で\(ax^2+bx\)をくくります。
\[a(x^2+\frac{b}{a}x)+c=0 \]
\[a(x+\frac{b}{2a})^2-\frac{b^2}{4a}+c=0\]
\(x\)を含んでいない定数項を1つにまとめます。
\[a(+\frac{b}{2a})^2-\frac{b^2-4ac}{4a}=0\]
定数項を右辺に移項します。
\[a(x+\frac{b}{2a})^2=\frac{b^2-4ac}{4a}\]
全体を\(a\)で割ります。
\[(x+\frac{b}{2a})^2=\frac{b^2-4ac}{4a^2}\]
\(b^2-4ac>0\)のとき、
\[(x+\frac{b}{2a})=\pm\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]
したがって、
\[x=-\frac{b}{2a}\pm\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]
\(b^2-4ac=0\)のときも成り立つので、次の条件で解の公式を使うことができます。
2次方程式\(ax^2+bx+c=0\)は、\(b^2-4ac\text{≧}0\)のときに解をもち、その解は
\[x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]
である
判別式
解の公式についてはお分かりいただけたでしょうか。
解の公式の説明の前に因数分解で解を求める方法を少し説明しました。2次方程式の解は、\(x\)軸とどこで交わるのかを示していることも先程説明しましたね。
先程の\(x^2+2x-15=0\)という式、解の公式でも同じように解が求められるのか試してみましょう。
\[x=\frac{-2\pm\sqrt{4-4\cdot1\cdot(-15)}}{2}\]
\[x=\frac{-2\pm\sqrt{4-(-60)}}{2}\]
\[x=\frac{-2\pm8}{2}\]
同じ解を求められそうですね。
方程式における実数の解を実数解といいます。そのままですね(笑)。
今回の関数式(方程式)は実数解が-5と3の2つありますね。
では、\(x^2-4x+4=0\)という式ではどうでしょうか。同様に解の公式を使って解いてみましょう。
\[x=\frac{4\pm\sqrt{16-4\cdot1\cdot4}}{2}\]
\[x=\frac{4\pm0}{2}\]
このまま解いていくと、実数解は1つ(\(x=2\))ですね。
実数解が2つある場合と1つしかない場合、解の公式を使って解く中で大きな違いが1つあるのですが、気づきましたか?
実数解が2つある場合というのは、解の公式のルート部分(\(b^2-4ac\))が0より大きな値になり、実数解が1つのみの場合は、解の公式のルート部分が0になります。
このように、\(b^2-4ac\)の値を調べることで実数解の個数を判別することができます。このことから、数学では\(b^2-4ac\)を判別式といい、アルファベットの\(D\)を使って表します。
ちなみに、実数解が1つの時のことを重解を持つということがあります。
\(D=b^2-4ac\)が0より大きい場合は、異なる2つの実数解をもつ
0と等しい場合は実数解を1つもつ(重解)
0より小さい場合は実数解をもたない
例題
2次方程式\(x^2-4x+m=0\)が異なる2つの実数解をもつとき、定数\(m\)の値の範囲を求めよ。
先程までの内容を踏まえて、解いていきましょう。
この方程式の判別式を\(D\)とすると、
\(D=(-4)^2-4\cdot1\cdot m=16-4m\)
2次方程式が異なる2つの実数解をもつのは、\(D>0\)のときなので、
\(16-4m>0\)
整理すると\(m<4\)になります。
したがって、\(x^2-4x+m=0\)が異なる2つの実数解をもつときの定数\(m\)の値の範囲は\(m<4\)です。
まとめ
今回のまとめです。
2次方程式\(ax^2+bx+c=0\)の解は、\[x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]です。ただし、\(b^2-4ac\text{≧}0\)のときのみ使えます。
判別式\(D=b^2-4ac\)によって、方程式の実数解の個数を求めることができます。実数解と判別式について、以下に示します。
\(D\)の符号 | \(D>0\) | \(D=0\) | \(D<0\) |
実数解 | \[\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\] 異なる2つの実数解をもつ | \[\frac{b}{2a}\] 重解を持つ | ない |
実数解の個数 | 2個 | 1個 | 0個 |
というわけで、今回はここで終わりです。何か参考になる情報があれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。