【ネットワーク】OSI参照モデルについて解説
ネットワークの勉強をする中で、「OSI参照モデル」という言葉によく出くわします。〇〇層という名前はもう知っているけど、それぞれの層にどのような役割があるのか…理解できている人って、実はあんまりいないんじゃないかって思っています。私も、大学時代にOSI参照モデルの勉強はしましたけど、確実に理解できるまで少し時間がかかった記憶があります。
今回は、この「OSI参照モデル」について、〇〇層という名前の紹介だけじゃなく、実際にその層がどのような役割を持っているのか、また、ルータなどの機器はどの層の役割を果たしているのか、という部分も併せて解説していこうと思います。ネットワーク機器については、過去の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
Contents
プロトコル
OSI参照モデルについて説明する前に、プロトコルについて理解しておく必要があります。
プロトコルとは、ネットワークを通じて、コンピュータ同士がやりとりするための約束事のことを言います。自分ひとりだとやりたいことを好き放題に楽しめるのですが、人と何かをするときは、ある程度マナーやルールを作っておかないと、喧嘩などに繋がる危険があります。コンピュータも人間と同様で、プロトコルによっていろんなことを決めることで、スムーズに通信を行うことができます。
OSI参照モデルとは
先程説明した「プロトコル」には、さまざまな種類があります。どのようなケーブルを使うのか、どのようなデータ形式で送るのか、など、事細かく決まっているんですね。これらのプロトコルを整理したようなものがOSI参照モデルです。教科書やノートなどいろんなものが散乱している机より、教科書は教科書で、ノートはノートでまとめてある机の方が見やすいですよね。それと同じようなことがプロトコルにも言えます。
OSI参照モデルでは、プロトコルを7つの種類に分けて整理しています。では、その7つについて詳しく見ていきましょう。
OSI参照モデルの7つの層
7つの層を1つの表にまとめたものが以下の表1です。
第7層 | アプリケーション層 |
第6層 | プレゼンテーション層 |
第5層 | セッション層 |
第4層 | トランスポート層 |
第3層 | ネットワーク層 |
第2層 | データリンク層 |
第1層 | 物理層 |
一般的に、第7層・第6層・第5層あたりは上位層と言われたりします。逆に、それ以下の層は下位層と言われたりします。第1層から順番に説明していきましょう。
物理層
物理層では、コンピュータ同士を物理的にどのように繋ぐのかを決めます。電気的な信号の送受信や増幅を行う機器が該当します。
関係する機器:NIC、リピータ、LANケーブルなど
データリンク層
データリンク層は、同一ネットワーク内で、どのような通信を行うのかについて決定します。MACアドレス情報を使ってネットワーク内のセグメント間の橋渡しをするブリッジはこのデータリンク層に位置します。
ネットワーク層
ネットワーク層は、ネットワークとネットワークをどのように中継するかを決定します。パケットのIPアドレス情報を確認してネットワーク間の中継を行うルータはネットワーク層に該当します。
トランスポート層
トランスポート層は、通信の信頼性をどのように確保するかを決めます。エラー訂正などの役割があります。
プロトコル変換を行って上位層が異なるネットワーク同士の中継を行うゲートウェイはこのトランスポート層からアプリケーション層までに該当します。
セッション層
セッション層は、通信の開始から終了までをどのように管理するかを決めます。暗号化などは、このセッション層で取り決めを行います。
悦族が途切れた場合に接続の回復をするのもセッション層の役割です。
プレゼンテーション層
プレゼンテーション層は、データはどんな形式にするかを決定します。
アプリケーション層からデータを受け取り、適切な形式にデータを変換してセッション層に渡します。逆に、セッション層から受け取ったデータを適切な形式でアプリケーション層に渡す役割もあります。データの暗号化・圧縮・文字コードの定義などが該当します。
アプリケーション層
アプリケーション層は、具体的にどのようなサービスを提供するのかについて決定します。
利用者が直接操作するソフトウェアが提供する機能についての仕様などを定めています。
まとめ
今回は、OSI参照モデルとプロトコルについて解説しました。
プロトコルは、データ通信を行う上で必要になる様々な決まり事のことを言います。
このプロトコルを7つの段階に分けて整理したものをOSI参照モデルと言います。物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層の7つです。
OSI参照モデルに関しては、名前と概要を把握するだけでいいと思います。詳しい役割については、それぞれのプロトコルについて学習していく中で少しずつ理解が深まっていくはずです。
というわけで、今回はここで終わりです。何か参考になる情報があれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。