【ルータやハブ等】ネットワークを構成する機器について解説
このブログを見ている方は、既にインターネットを使っています。インターネットを使わないとこのブログに辿り着くことはできませんから。では、ネットワーク・インターネットを構成する機器はどのようなものがあるのでしょうか。
ルータやハブなど、一度は聞いたことがあると思いますが、そういった機器がどのような機能を持っているのかについて、解説していきます。これらの機器の役割について理解することで、家の中のネットワーク(LAN)について理解を深めることができます。LANについてよく分からない方は、以下のページも参考にしてみてください。
今回紹介する機器は、NIC、リピータ、ブリッジ、ハブ、ルータ、ゲートウェイの6個です。1つずつ見ていきましょう。
NIC
NICとは、Network Interface Cardの略です。LANボードとも呼ばれたりします。この機器の役割は、データを電気信号に変換してケーブル上に流すことで、コンピュータをネットワークに接続することです。コンピュータを自分の家とするならば、NICは玄関ですね。家の中と家の外を繋ぐ場所であり、この場所を通らないことには部屋の中に入れませんよね。ベランダやバルコニーからも入れるじゃん!っていうツッコミはやめてください(笑)。
NICも同様で、データがコンピュータの外に行く場合には必ず通る場所なんです。玄関と違うのは、玄関はそのまま通れますが、NICを通るときにはデータから電気信号へ、電気信号からデータへ変換する処理が行われる点ですね。
例えば、自分のスマホから友達のスマホへ写真を送信する場合は、以下のような流れで行われます。
- 自分のスマホの中にある写真データがNICによって電気信号に変換される。
- 変換された電気信号がネットワーク上に流される。
- 友達のスマホのNICが電気信号をデータに戻す。
- 友達のスマホで写真データを閲覧可能になる。
パソコンやスマホ等のすべてのコンピュータにはNICが必要です。最近の端末には、内部に搭載されているのでわざわざ別途準備する必要はありません。
リピータ
リピータは流れている電気信号を増幅する役割があります。リピータを使うことで、より遠くのコンピュータとも通信が可能になります。
無線LANで使われる、Wi-Fiの中継器がこの役割を果たしていますね。ルータから距離が離れると、スマホの画面の電波マークが弱くなっていく経験をしたことがあると思います。この時に中継器を置くことで、弱くなった電気信号が拡張されるため、遠くの場所でも通信が行いやすくなります。
有線LANでも電気信号が弱まることはあります。LANの規格(10BASE-Tなど)によってケーブルの総延長距離が決められており、これ以上遠くの場所で通信を行う場合、信号が弱くなってしまいます。リピータを間に置くことで、信号を増幅してくれるので、この問題を解消できます。
ブリッジ
家の中で複数のコンピュータを使っていたとしましょう。4台のパソコン(パソコンAからパソコンDまでの4台)で1つのネットワークを構成している場合を考えてみます(図1参照)。図が雑だよ!というクレームが飛んできそうなので(笑)先に謝っておきます…申し訳ございません。
この場合、何も対策をしなかった場合は、パソコンAからパソコンBにデータを送信した場合、パソコンCやパソコンDにもデータが流れるんですね。「いや、そんなこと起こらないでしょ…」と思うかもしれませんが、実際にデータは送られます。ただ、パソコンCとパソコンDがデータを受け取ったときに自分宛じゃないと判断した場合はデータの受け取りを拒否するので、データが流れていないように見えるだけなんです。
本来受け取るべきではない端末にもデータが送られるのは、効率が良くないのは明らかですよね。これを改善するために使われるのがブリッジです。図1の状態を改善したのが図2です。(図のクオリティーが上がるわけではありません…)
図2のように、ブリッジを置くことで、パソコンAからパソコンBにデータを送るときはパソコンCやパソコンDにはデータが届かないように遮断します。このブリッジがデータを渡すか遮断するかを見極めるために使うものが、MACアドレスです。似たようなものにIPアドレスがあるのですが、この2つのアドレスの違いや用途に関してはまた別の記事で解説します。MACアドレスは、端末を識別するために使われるアドレスで、重複することはありません。
端末同士が1本のケーブルでつながっている範囲をセグメントと呼びます。今回の図2のような構成の場合は、パソコンAとパソコンBで1つのセグメント、パソコンCとパソコンDで1つのセグメントです。
ハブ
ハブは、LANケーブルの接続口(ポートといいます)を複数持つ装置です。大学のパソコン室などには多くのパソコンがあるので、ほぼ必ず置いてあります。複数のLANケーブルが1つの箱のようなものにぶっ刺さっている状況を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
ハブには、リピータ機能をセットにしたリピータハブと、ブリッジ機能をセットにしたスイッチングハブの2種類があります。
リピータハブは、ある端末から送られてきたデータを接続されてる他のすべてのコンピュータに送ります。スイッチングハブは、ある端末から送られてきたデータを宛先MACアドレスを見て該当するコンピュータにだけデータを送ります。
ルータ
WANについて解説した記事でも少し説明しましたが、LAN同士を中継する役割があります。流れてきたパケットのIPアドレスを確認して、該当する経路へパケットを転送します。
IPアドレスはネットワークの住所のようなものです。
世界には無数のネットワークがあります。ネットワークが入り乱れてる中で、ちゃんと正しくデータ通信が行われているのは、このルータのおかげです。すごいやつです。
基本情報の試験では、経路選択・ルーティングという用語が出てきたらルータのことか!と思っていいと思います。
説明だけでは分かりにくいので、具体例を出して考えてみます。例えば好きなミュージシャンのCDを楽天ブックスで買うとしましょう。
購入者の住所などの情報を楽天ブックスに送る必要がありますよね。その情報をパケットという単位に分割して送るわけですが、家のルータが楽天ブックスのサーバのIPアドレスを知っているわけありません。知っていたら怖いです(笑)。なので、自分の近くのルータに「こいつなら知ってるんじゃないか」という期待を込めてパケットを送りつけます。受け取ったルータは自分が知らなければまた他のルータにパケットを送りつけます。この作業を繰り返して目的地のネットワークのルータに辿り着くわけです。
ゲートウェイ
ネットワーク界の翻訳家みたいなイメージです。異なるプロトコルの間に位置して変換作業を行います。プロトコルとは、通信するうえでの約束事みたいなものです。
例えば、日本語を話す人と英語を話す人が会話しようとすると、どちらかが言語を合わせるか、通訳さんを呼ぶ必要がありますよね。これと同様のことがネットワーク界でも起こります。
スマートフォンのドコモメールからパソコンのYahooメールに写真を送信するときについて考えてみましょう。このとき、ドコモメールとYahooメールでは、細かいルールなどが異なっている部分も当然ありますよね。このルールの差を解消してスムーズに送受信をできるように使われるのがゲートウェイです。
ルータやハブなどに比べるとイメージがつかみにくいかもしれませんが、基本情報の試験では、「プロトコル変換」「トランスポート層以上」などのワードが出てきたら、ゲートウェイのことだ!と思っていいです。
まとめ
今回は、ネットワーク機器の役割について解説しました。一言で説明すると、以下のような感じです。
- NICは、データを電気信号に変換したり、逆の変換を行う。
- リピータは、電気信号を増幅する。
- ブリッジは、MACアドレスを確認して異なるセグメント間の橋渡しをする。
- ハブは、LANポートを複数持っている装置で、リピータハブとスイッチングハブがある。
- ルータは、IPアドレスを見て適切な経路を選択する。
- ゲートウェイは、トランスポート層以上が異なるネットワーク間で、プロトコル変換を行う。
というわけで、今回はここで終わりです。何か参考になる情報があれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。