【三角比】センター試験(2014年度)の問題を解いてみる

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問題【前編】

問題

解答(解説)【前編】

最初は\(CA\)を求める問題です。

余弦定理を使うことで求めることができます。

余弦定理の公式に値を当てはめて式を立てると…

\(AC^2=2^2+4^2-2\cdot 4 \cdot 2 \cdot \frac{1}{4}\)

これを解くと…

\[AC=4\]

イ・ウ

続いては\(\cos \angle BAC\)を求める問題です。

\(\cos \angle BAC\)も余弦定理を使って解くことができます。

公式に値を代入すると…

\(\cos \angle BAC = \frac{4^2+4^2-2^2}{2\cdot 4 \cdot 4}\)

これを解くと…

\[\cos \angle BAC = \frac{7}{8}\]

エ・オ・カ

続いて、\(\sin \angle BAC\)を求めます。

\(\sin^2 \angle BAC + \cos^2 \angle BAC = 1\)ですから、

\(\sin^2 \angle BAC = 1-\left(\frac{7}{8} \right)^2\)

\(\sin \angle BAC > 0\)より、

\[\sin \angle BAC = \frac{\sqrt{15}}{8}\]

キ・ク・ケ・コ・サ

次は、外接円の半径を求める問題です。

外接円の半径\(R\)は、次のようにして求められます。

外接円の半径

\[2R = \frac{BC}{\sin \angle BAC}\]

各値を代入すると、次の式ができます。

\(2R=2 \cdot \frac{8}{\sqrt{15}}\)

これを解くと…

\[R=\frac{8\sqrt{15}}{15}\]

シ・ス

だんだんと図がややこしくなってきましたね…。

次は、\(AE\)の長さを求める問題です。

\(BE\)は、\(\angle ABC\)の二等分線です。したがって、\(AB:BC=AE:CE\)という関係が成立します。

\(4:2=AE:CE\)より、

\(AE=2CE \text{・・・(1)}\)

\(AC\)の長さは4ですから、\(AE+CE=4 \text{・・・(2)}\)

(1)式より、\(CE=\frac{1}{2}AE\)とすると、(2)式は以下のようになります。

\(AE+\frac{1}{2}AE=4\)

これを解くと…

\[AE=\frac{8}{3}\]

セ・ソ・タ・チ

続いては\(BE\)の長さを求める問題です。

\(\triangle ABE\)に着目して、余弦定理を使います。

ここで、\(\angle BAC = \angle BAE\)であることに気づきましょう。

公式に値を代入すると、次の式ができます。

\(BE^2 = 4^2+\left( \frac{3}{8} \right)^2 – 2\cdot 4 \cdot \frac{3}{8} \cdot \frac{7}{8}\)

これを解くと…

\[BE = \frac{2\sqrt{10}}{3}\]

ツ・テ・ト・ナ

三角形の3つの角の二等分線はすべて交わります。その交わった点のことを内心といいます。

ですから、\(D\)は内心です。\(\angle ACB\)の角の二等分線も考えると、

\(BC:CE=BD:DE\)という関係が成立します。

\(CE\)は\(AC-AE = \frac{4}{3}\)ですから、\(2:\frac{4}{3} = BD:DE\)より、\(DE=\frac{2}{3}BD\)

\(BE\)の長さはすでに求めていますから使いましょう。

\(BD+DE=BE\)より、\(BD+\frac{2}{3}BD=\frac{2\sqrt{10}}{3}\)

これを解くと…

\[BD=\frac{2\sqrt{10}}{5}\]

ニ・ヌ

次は、\(\triangle EBC\)と\(\triangle EAF\)の面積の関係を求める問題です。

上図の青で塗りつぶしている部分が\(\triangle EAF\)で、緑の部分が\(\triangle EBC\)です。

\(\angle AFE\)と\(\angle ECB\)はともに弧\(AB\)に対する円周角のため、角度の大きさが等しいです。

\(\angle EBC\)と\(\angle EAF\)はともに弧\(AB\)に対する円周角のため、角度の大きさが等しいです。

したがって、\(\triangle EBC\)と\(\triangle EAF\)は2つの角度の大きさが等しいため、相似であるといえます。

\(AE:EB=\frac{8}{3}:\frac{2\sqrt{10}}{3}\)ですから、\(\triangle EAF\)と\(\triangle EBC\)の相似比は\(4:\sqrt{10}\)です。

面積比は相似比の2乗ですから、面積比は\(16:10\)つまり\(8:5\)です。

\(\triangle EAF : \triangle EBC=8:5 \)より、

\(\triangle EBC\)の面積は、\(\triangle EAF\)の面積の\(\frac{5}{8}\)倍

問題【後編】

問題

解答(解説)【後編】

まず、\(FA\)の長さについて考えてみます。

\(FA:BC=4:\sqrt{10}\)より、\(FA=\frac{4\sqrt{10}}{5}\)となります。

続いて、\(FC\)についてです。

\(\triangle EAB\)と\(\triangle EFC\)が相似の関係になることを利用します。

\(BE=\frac{2\sqrt{10}}{3}\)、\(CE=\frac{4}{3}\)より、 \(\triangle EAB\)と\(\triangle EFC\) の相似比は…\(\sqrt{10}:2\)です。

したがって、\(AB:FC=\sqrt{10}:2\)より、\(FC=\frac{4\sqrt{10}}{5}\)となります。

この時点で、\(FA=FC\)ですから、選択肢①④⑥のいずれかとなります。

最後に\(FD\)を考えます。

\(FD=FE+ED\)という風に分解して考えていきます。

\(DE\)について

\(BD:DE=2:\frac{4}{3}\)でした。\(BD=\frac{2\sqrt{10}}{5}\)ですから、\(DE=\frac{4\sqrt{10}}{15}\)です。

\(FE\)について

\(FE:EC=4:\sqrt{10}\)より、\(FE:\frac{4}{3}=4:\sqrt{10}\)

これを解くと、\(FE=\frac{8\sqrt{10}}{15}\)

最後に、\(DE+FE=FD\)ですから…

\(FD=\frac{4\sqrt{10}}{15}+ \frac{8\sqrt{10}}{15} =\frac{4\sqrt{10}}{5}\)

したがって、④が正解となります。

まとめ

2014年度の三角比の問題を解くために必要な知識は…

まとめ
  • 余弦定理
  • 外接円の半径の求め方
  • 円周角の定理
  • 三角形の相似について

といったところでしょうか。

三角比以外にも、相似や円周角といった中学数学の知識も必要になってくるので、数学が積み重ねの学問であることを身に染みて感じます。

ということで、今回の記事はここまでです。何か参考になる情報があれば嬉しいです。

ちなみに、他にもこのブログでは高校数学の解説を行っているので、ぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。