【コンピュータ制御について】機械がアナログデータをどのように処理するか
「コンピュータ」と聞いたときに、一番イメージしやすいもの…
それは「パソコン」「PC」だと思います。
しかし、世の中には、パソコン以外にも多くのコンピュータが存在しています。
例えば、車のカーナビの内部にもコンピュータは組み込まれていますし、エンジンにも組まれています。
他にも、洗濯機、エアコン、冷蔵庫といった、身近な家電製品なんかにも、最近ではコンピュータが内蔵されています。
今回の記事では、そういった、パソコン以外の幅広い機器について触れていきます。
Contents
コンピュータの役割とは
エアコンには部屋を涼しくする・もしくは部屋を暖めるといった目的があります。
車のカーナビには目的地まで案内するという目的があります。
冷蔵庫には、食べ物や飲み物を保管できるように温度を下げておく、といった目的があります。
このように、コンピュータを組み込んでいる機械には何かしら目的があります。
機械に組み込まれたコンピュータの役割は何かというと…その機械が目的を果たせるように機器を制御することです。
この世界はアナログな情報だらけ
自然界にはアナログな情報だらけです。温度・湿度・光度など、多くの情報は区切りのない連続したアナログ情報です。では、このアナログな情報を、ディジタルの塊ともいえるコンピュータがどう処理するかというと…
アナログ情報をディジタル情報に変換するのです。
コンピュータはアナログ情報を各種センサから電気信号として受け取り、必要な処理を行って次の動作を決定してアクチュエータへ伝えています。
よく分からない単語が登場してきましたが、これから説明します。
センサとアクチュエータ
先程も説明した通り、コンピュータはアナログ情報をセンサから電気信号として受け取り、処理を経て、アクチュエータへ処理を促します。
外界の情報を計測するのがセンサです。分かりやすく言うなら、入力装置のようなものです。
センサから得た情報をディジタル信号に変換してコンピュータが受け取ります。
必要な処理を終えたコンピュータから得た情報をアナログデータに再度変換してアクチュエータが受け取ります。
アクチュエータは、電気信号を物理的な動作に変換します。出力装置みたいなものです。
例:車のエンジン
簡単な例として、車のエンジンを考えましょう。
私たちがエンジンキーを回す、もしくは、スタートキーを回すという処理を行ったとき、センサが反応します。
センサはコンピュータに「スイッチON」というような命令を電気信号に変換して送ります。
コンピュータは車を動かすために必要な処理をまとめて、アクチュエータに電気信号を送ります。
情報を受け取ったアクチュエータが回転運動などの処理を行い、初めて車を動かすことができるわけですね。
もちろん、これはすごく簡単な例であり、実際はもっと複雑な処理が行われているはずです。笑
センサの種類
温度センサ、照度センサ、湿度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサなど、数多くのセンサが存在しています。
例えば、先程例に挙げた車には、外気温と内気温を把握するための温度センサ、速度を計測するための加速度センサ、カーナビを正常に動かすためのGPSセンサ…
といった具合に、いろいろなセンサが組まれています。
スマートフォンなどは、もっと多くのセンサが搭載されているんでしょうね。
機器制御
コンピュータが機器を制御するためによく使われている制御方式が2つあります。
シーケンス制御
シーケンス制御は、あらかじめ決められた順序や条件に従って、制御の各段階を逐次進めていく制御方式です。
例えば、洗濯機などはコチラの方式です。給水→洗い→すすぎ→脱水という手順が既に決まっており、順番に行われます。
「すすぎ」を終わらせてまた「洗い」に戻るなんてことはありません。
フィードバック制御
フィードバック制御は、現在の状態を定期的に測定し、目標値とのズレを入力側に反映させることで、出力結果を目標値と一致させようとする制御方式です。
例えば、エアコンはコチラの方式ですね。
今の時期(夏)だったら、設定温度になるように冷風を出して、室温を計測して…
まだ設定温度より高ければ冷風をさらに出して…
という具合に、その状況に応じて臨機応変に対応していく感じですね。
例題
フィードバック制御の説明として、適切なものはどれか。
ア あらかじめ定められた順序で制御を行う。
イ 出力結果を使用せず制御を行う。
ウ 出力結果と目標値とを比較して、一致するように制御を行う。
エ 外乱の影響が出力に表れる前に制御を行う。
正答:ウ
ア:シーケンス制御についての説明です。
イ:フィードバック制御は、出力結果を利用します。
エ:外乱の影響が出力に表れる方式がフィードバック制御です。
まとめ
- 外部の事象を計測するための装置はセンサ。
- コンピュータはセンサから電気信号として情報を受け取る。
- 電気信号を物理的な動作に変換する装置がアクチュエータ。
- コンピュータはアクチュエータへ電気信号を送る。
- あらかじめて定められた順序に従って制御を行うのがシーケンス制御。
- 現在の状態を測定しながら目標値に近づけていくのはフィードバック制御。
ということで、今回の記事はここまでです。何か参考になる情報があれば嬉しいです。
このブログでは他にも基本情報技術者試験に関する記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。